アフティビの癌闘病日記

令和3年8月、下大静脈塞栓の重篤な合併症である肺塞栓で入院。大静脈に血栓の流れを止める為のIVCF(下大静脈フィルター)留置術を行う。10月に精巣原発胎児性癌・後腹膜転移と診断、泌尿器科にて化学療法を施行。EP療法を3コース、VIP療法を1コース施行。翌年2月、後腹膜リンパ節郭清術・高位精巣摘除術を経て後遺症が残るも予後良好で現在に至るまでの日記です。

胎児性癌になるまでの話(その15)

今週のお題「人生最大のピンチ」

10/5(火)入院36日目

いよいよ生検の為、開腹の手術日。

青い病衣に着替えストレッチャーに運ばれて手術室へ。

まさにドラマでよく見る丸いライトが複数並ぶ照明。数種類のモニター。

ストレッチャーから手術台に自分から移動して横になる。

人生初の手術だ。ほどなくして麻酔の点滴をされながら酸素吸入器を付けられる。先生から「はいリラックスしてね〜」と言われたその時、マンガの「医龍」のワンシーンを思い出す。ああ、確か麻酔やる専属の先生がいて、1から7(にゃにゃーつ)まで数えると「はい落ちた〜」って言うシーンがあったなと。

 

 

自分で数えてみる。

 


ひとーつ、ふたーつ、みーっつ、よーっつ、いつーつ、むーっつ、にゃにゃーつ・・・。

 

 

 


・・・◯◯さん、◯◯さーん、手術終わりましたよー。


ん?なんだ?何してたんだっけ?軽く混乱。


目の前の景色で手術が終わった事がわかった。

看護師さんと妻が目の前にいた。


どうやら麻酔で眠らされて、起きるまでのだいたい30秒くらいの出来事のように感じた。


7時間に及ぶ生検開腹手術を行い、個室にて全身麻酔から目覚めた。

腫瘍も採取して無事手術も終わったと聞いてホッとしたのも束の間、自分の体の異変に気付く。

手術した下腹部が痛いのはわかる、それとは別にいきなり全身の寒気と自分では抑えきれないほどの体の震えが始まった。

顔色もみるみる青ざめていく。

すぐさま病棟の個室ベッドからストレッチャーに運ばれ手術室へ逆戻り。

手術室に向かう最中、教授らしい人が来てストレッチャーに寄り添い「血圧いくら?」「60/45です」「何やってんの死んじゃうよ!」と言うのが聞こえた。本人目の前ですけど(笑)

しかもストレッチャーで運んでる最中、下腹部痛いって言ってんのに、横にいた男の人が、ストレッチャーの車輪につまずいて、私の下腹部にエルボー食らわせた。メガネを外してるせいで誰か覚えていないが痛かった…。あまりに痛すぎて声も出なかった。

手術室に入ってまた全身麻酔

 

本日2回目の手術スタート(汗)


そして目が覚めると今度は目の前がビニールカーテンで仕切られた部屋にいた。看護師さんに聞くと、どうやらここはICU(集中治療室)とのこと。


ベッドの周りには何本もの輸血袋がぶら下がっていた。最初の手術で止血がうまくいっておらずドレンから血が漏れ続けていた模様。2回目の手術で血が漏れている箇所を見つけて止血したようだ。

 

2回目の手術が終わったのは19時過ぎ。


ふと、あれ?ICUにいるって…やばいって事じゃないの…?


その日の夜は看護師さんが1時間刻みで血圧を測りにきてくれたおかげて、朝まで一睡もできなかった。


寝返り厳禁と、痛みも相まって、全く眠れない。それに息苦しさが伴うとまさに地獄。


やり残した事は色々あるけれど、この時ばかりは、いっそ楽にしてほしいと思った。

 

あれだよね、ドラマや映画でよく見る「ICU」にいるってことは、

今夜が峠です、とかってやつじゃないの・・・?

 

<続>